減損とは?減損損失の意味をわかりやすく説明します。

こんにちは!本日は減損(減損損失)についてお話します。

 

まずは、堅い言葉の定義からですが、

減損(減損損失)とは、資産の収益性の低下があり投資額の回収が見込めなくなった場合、該当する資産の帳簿価額(簿価)に収益性の低下分を反映させる手続きです。

通常は、有形固定資産についての減損会計を指すことが多いのですが、のれんなどの無形固定資産も減損会計の対象です。近年では東芝の不祥事もありのれんの巨額減損という言葉をお聞きになっている方も多いのではないでしょうか。

 

基本的に減損のお話は、公認会計士が監査している上場会社等が対象になります。

また、減損会計の具体的な会計処理が知りたい方は、新日本監査法人のWEBサイトに詳しく書いてあるので御覧ください。

第1回:減損会計の概要|わかりやすい解説シリーズ「減損会計」|新日本有限責任監査法人

 


 

 

減損損失とは?ざっくり説明

 

減損とは、投資を行った金額が、将来回収できなさそうだと判明した時に、当初の見積もりが甘かったことを反省しつつ、固定資産に計上していた金額を回収できる金額まで減少させる処理です。

 

ここでのポイントは、

①投資時点の計画

②投資金額が将来回収できないことが判明

③現在、貸借対照表(B/S)に計上している金額

④回収可能な金額まで減少させる

でしょうか。

 

減損の主な流れの説明

それでは①から順にさらに噛み砕いてお話します。

 

そもそも企業が行う投資とは、〇〇年で投資金額以上の利益を稼ぐという計画が立てられ、その計画の下で実行されます。この投資には、大規模な工場をたてる等の設備投資、企業買収(M&A)等の企業投資、また日々の業務に使うであろう備品等の購入も小規模な投資と言えますね。

このように様々な投資形態がありますが、投資は、投資を行う前に、利益を回収することが前提の計画が立てられるのです。5年ぐらいで回収する予定で立てられるものもあれば、30年といった長期スパンで利益を回収する予定のものもあるでしょう。

 

ここで問題がおきます。②ですね。5年程度で当初の計画通りに利益を稼ぎ出せたものは問題ないですが、30年といった長期スパンで投資金額を回収する予定の投資は、経済環境の変化の影響を受け易いわけです。

例えば、投資してから5年ぐらい経ったあたりで、

「あれ…当初の計画通りにはいかないぞ…工場を閉鎖するしかない…」

といった極端なことが起こったとします。工場を閉鎖すると、その工場から生産され販売される予定であった製品の売上等が当然なくなります。減損会計でいうと、収益性(将来キャッシュフロー)がゼロになります。

 

そして次に③ですね。上記の例だと、当初は30年で投資額を回収する計画が5年経ったあたりで頓挫しましたので、残り25年程の投資金額が、貸借対照表(B/S)に残っていることになります。これが帳簿価額と呼ばれるものです。

その残っている帳簿価額を、回収できる金額まで減少させることを減損処理といいます。

 

 

のれんとは?減損損失との関係

減損の話でよくでてくるのは、のれんでしょう。

のれんとは、ざっくり説明すると、企業のブランドのことです。

例えば、企業価値が1億円と算定された会社があり、その会社を、自社が2億円出して購入した場合、1億円割高に購入していることになります。その割高に購入した金額分をのれんと言います。のれんが生じるということは、買った会社にはブランド価値があるので高いお金を出して購入したということになります。

 

減損の話に戻りますが、減損処理は、将来回収する予定の金額が回収できない時に行う処理です。

のれんを減損処理にあてはめると、

投資計画時にはたくさん利益を稼ぎ出す予定で会社を買収したが、環境の変化により、買った会社が赤字になってしまった。この時、子会社の収益性が低くなっているにも関わらず、のれんが過大に計上されている状態のため、のれんを減損することになります。

 

減損損失のデメリット

  • 損益計算書上、臨時・巨額な損失である特別損失に計上されることが多いため、目立ちやすい
  • 当初の投資計画が失敗していることを外部の方々にアナウンスする苦汁を味わうこと
  • 税務上、損金不算入であること。(個別・単体決算上の話)

減損損失のメリット

  • 将来生じるはずだった、減価償却費、のれんの償却費がなくなるので次年度以降は利益が大きくなる(一気に減損処理として損失計上するため)
  • 巨額の減損を行うと、資産価値が大きく減少することになるため、ROE、ROA等の経営指標が向上しやすい

 

最後に…

減損をざっくり理解するのに役立てれば嬉しいです。

 

余談ーM&A、DD、DCF法等ー

M&Aを行う際は、企業の価値を調査するDD(デューデリジェンス)を行います。買収するために値段の目安を算定してもらうためです。上場企業を買収する際は、証券市場の株価に基づいた金になりますが、上場していない企業(非上場企業)を買収する場合は、証券市場の株価がありません。そのため、非上場企業を買収する際のデューデリジェンスでは、同業の上場会社の株価を参考にする方法や、今までの売上・利益の推移を見た上で今後の事業環境を踏まえた将来キャッシュフローに基づく価値を割り出す方法(DCF法)を用います。

DCF法では、将来の事業計画に基づき企業価値を算出することになります。そのため、M&A時の買収価格をDCF法に基づいたものですと、将来の事業計画が、ある時点で頓挫した場合、『減損』というお話に繋がってきます。

DCF法については、また別の機会に書こうと思います。

 

 

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